まだまだ暑い日が続いています、この暑さで色々と植物も傷んできます。
丈夫な種類の中にもあまり暑いと耐えられない物が有り、早めに対処しないと8月は越えられません。
そんな植物の代表がDrosera capensis。
南アフリカ原産で暑さに強いと思われがちですが、南アフリカは緯度と海流の影響でそれほど暑くない場所です。
30℃程度なら問題ありませんが35℃を超えるような日が続くと耐えられません。
もっと言うと夜の気温が25℃以上になると弱ってきます。
そうなると生理障害を起こして白化と言う現象が起きてきます。
これが続くと枯れてしまうので、温度を下げる工夫が必要になります。
特に葉が細い物の方が弱いようです。
もう一つ、ネペンテスも高山性と言われるもの以外でも標高1000mあたりに有るものは注意が必要です。
その代表が Nepenthes ventricosaです。
丈夫で栽培しやすい種類ですが、これも高山性なので暑さには弱い種類です。
あまり暑い日が続くと、写真のように葉に斑点が出来てきて、放置すると枯れることが有ります。
これは生理障害と言うより植物が弱った所に細菌が感染して起こるようで、夏場にはよく出ます。
温度を下げれば問題ありませんが、殺菌剤を一度撒いた方が安全です。
とにかくこの頃の暑さが尋常ではないので何とかしてもらいたい所です・・・。
蒸し暑い毎日が続いています、いよいよ来週は8月です。
・・・と言うことは、まだまだ暑い日は続きます・・・。_(-_-;)
気候のせいでしょうか今年は早くからハダニの危害が結構出ています、ダニの薬はあまり撒くことがありませんでしたが、今年は既に2回ほど撒いています。
そんな中でサラセニアの葉によじてた物を発見しました、どうもホコリダニのようです。
ハダニは見れば分かりますが、こいつは肉眼で確認するのが難しい物で、被害が広がらないと発見しにくいやつです。
ダニの薬はケルセンと言う薬が以前有りましたが、今は販売中止になって手に入らなくなってしまいました、これが結構効いたんですがしょうがないですね~・・・。
同じ薬ばかり使うと利きが悪くなるので、2~3種類を1週間おきにかけることにしましょう・・・。
この所何かと忙しく更新できませんでした。(^^ゞ
今回は炭疽病です。
さて、炭疽病と言う病気がありますが、これが結構最初のうちはなんだか分からずに苦労しましたが、今回の事例もはっきりと炭そ病と決まったわけでは有りません。
最も害を起こしている可能性が高い物が炭疽病菌だろうと言うことです。
症状は葉に染みのような斑点が出来てそれが次第に広がって行き、薄い葉などでは穴が開いてしまい、茎に達すると株全体が枯れてしまうと言う物です。
これもカビの一種によって引き起こされますが、高温多湿の環境で多く発生します。
どの病気もそうですが、炭そ病と一口に言っても病気の原因となる菌には色々種類が有り、植物によって関係する菌の種類が違うようです。
食虫植物は原因菌が特定されていないので、どの植物と同じ菌が付いているのかが分かりませんが、同じ炭そ病でも菌の種類によっては効く薬と効かない薬があるので、薬を使いながら有効性を確かめる必要が有ると思います。
写真のサラセニアは炭疽病だと思われる症状で枯れた物ですが、同じような症状の物を研究機関で調べてもらったことが有り、その葉からは Glomerella属、Venturia属、Sclerotinia属という三つの菌が見つかりました。
Glomerella属菌はイチゴなどの炭そ病菌で、Venturia属菌は梨の黒星病、Sclerotinia属菌は野菜などの菌核病の原因菌です。
当初はバラの黒星病が原因ではないかと思い、そう言った薬剤を使いましたが余り効果が出ず被害が拡大しました。
同じ黒星病でも、梨の物とバラの物は原因菌が違うので、はっきりした後は有効性を確認して薬剤を選ぶことが出来、その後なんとか病気を収束させることが出来ました。
最初は黒星病を疑っていたため黒星病に効く薬ばかりを使いましたが、あまり効果が無く、原因菌の中に炭そ病があることが分かってからは炭そ病に効果のある薬剤を使うことで目に見えて効果が上がりました。
このとき私が使った薬剤はゲッター水和剤と言う水和剤で、これは通常灰色カビ病に使う薬ですが、炭そ病や菌核秒にも良く効く薬です。
農薬なので、町のホームセンターなどには置いていないため、農薬の手に入る農業関係の店で買うことになります。
これと同じような効き目の薬が トップジンMゾルになりますが、やはり効き目はゲッターの方が上です。
その他にもオーソサイドR水和剤やベンレートR水和剤、ビスダイセンTM水和剤 なども使いましたが、どれも明確な効き目と言うには弱いような気がしました。
トップジンMゾルはそれなりに有効性は有るようだったので、手に入りやすいこの薬を使う方がいいかもしれません。
サラセニア以外にも炭そ病と思われる病気で枯れる物がディオネアです。
これも一度広がると、中々直らず結構植物に被害が出ます、ひどい場合は一角の鉢が全滅と言うこともあり、安易に考えると大きな被害を出してしまいます。
症状としては展開する前の葉を含めて、先端の方から黒くなって枯れていき、重症の物はそのまま枯れてしまいます。
写真の物は薬剤が効いて症状が出なくなったものですが、葉の周りが黒くなっているのが分かります。
このように新芽の先が次々と黒く変色して来たり、新しい捕虫葉の一部がいきなり黒く枯れるような症状が出たら注意してください。
他にもネペンがかかることもあるようですが、過湿や湿度不足などで株が弱った時に葉が黒く枯れてくる事が有り、見つけ次第黒い部分を切り取って薬剤を散布することが必要です。
病気編ですが、病気が出るのはネペンが一番多いようで、結構苦労している人がいるようですが、普通の栽培ではそれほど多くは出ないようです。
次に多いのがサラセニアで、結構治りにくい病気があったりします。
そこで今回の病気は「ウイルス病」
食虫植物の場合はサラセニアやネペン、ハエトリソウなどで報告があり、ピンギなどもかかるようです。
ウイルスの種類も沢山あり、基本的にはどんな植物でもかかる病気です。
人間でもインフルエンザなどのウイルスによる病気にかかりますが、植物でも同じようにウイルスに感染するといろいろな問題が発生します。
ウイルスの種類によって病状が出るところが違うので、それを上手く使った物が八重咲の花や斑入りなどの植物になったりします。
ただ、問題になるのがウイルスに一度かかると直らないと言うことです、ウイルスに侵された植物は廃棄するしかないのです。
ただウイルスにかかっても種にはウイルスは入らないと言うことと、枯れることはないのでしばらく栽培して種を取ればなんとか維持できるようです。(私は確かめたことはないんですが・・^^; )
食虫植物の場合はモザイクウイルスが特に問題になりますが、これに感染すると葉にまだら模様が現れ、特に強毒なものは葉がよじれてしまってまともな形にならなくなります。
モザイクウイルスによる症状はどれも同じような感じで、葉が変形してまともな形にならないと言う物がほとんどです。
そんな株を見つけたときはとりあえず隔離して様子を見てください。
このウイルスの感染は基本的には接触感染で、近くに植物があるだけでは感染しません。
感染ルートは主に二つで、一つは虫によるものです。
アブラムシのような吸汁性害虫が、ウイルスを持った植物を吸汁した時に口の周りにウイルスが付くようです、その後に移動して、新しい植物で吸汁すると付いていたウイルスが感染するということです。
もう一つはハサミなどの刃物による感染で、ウイルスを持った植物を切ったはさみで次々植物を切ると切った切り口から感染してしまうということです。
これは食虫植物同士だけではなくその他の植物から簡単に感染するので、周りに有る植物にウイルスを持った植物がないかどうか日ごろからよく観察することが重要です。
植物の中にはウイルスに感染してもあまり表に症状が出てこない植物があり、そんな植物を切った後のサラセニアなどを切るとたちまち感染してしまいます。
ウイルスは単体では長く生きられないため、植物の細胞の外に出たものはそれほど気を使わなくても大丈夫ですが、枯れた植物でも細胞が破壊されていない場合は半年以上生存することがあるので、ウイルスに感染した植物の植えてあった後はしばらく何も植えないほうがいいと思います。
通常アブラムシなどが伝染させるのは24時間程度と言われています、ハサミなどの刃物も水洗いした後で日にちがたっていれば特に問題ないと思います。
虫による感染はとにかく近くにウイルスを持った植物を置かないと言うことと、虫が付かないようにすることしかありません。
通常オルトランなどの薬剤を良く使いますが、これは虫が植物に付かないと効果がない薬剤なので、吸汁性害虫が吸汁したときには手遅れと言うことになります。
ウイルス病にかかるのはサラセニアが最も多いようですが、ほとんどの場合栽培条件の悪化で生理現象からモザイク状の斑が入るようです、このような場合は環境が改善されれば元に戻ります。
写真の物がそうですが、ただこれが弱毒のウイルスによる物かどうかは良く分かっていません。
ウイルスの場合は新芽が小さい時からすでにモザイク状になっています、そうでない場合は次の葉からまともな葉が出るようになるかもしれません。