病気編2回目ですが、今回は「ウドンコ病」
植物に小麦粉を振り掛けたように白くなるので、こんな名前が付いています。
これにかかる植物は限られていて、かかるのはほとんどが Utricularia の花茎です。
写真は U.dichotoma の花茎ですがなぜかこの植物だけは毎年この時期になるとウドンコ病が付きます。
ただ、これ以上ほとんど広がらないので、何かのついでに薬剤散布をするぐらいで見つけても放置しています・・・。^_^;
その他、まれにセファロタスやピンギがかかることがありますが、他の植物がかかることはほとんど無いと思います。(少なくとも私は見たことがない・・^^; )
薬剤もよく効くので、発見したら早めに薬剤散布をすることで被害も無く対処することが出来ます、これを放置すると植物が真っ白になり最後には枯死することがあります。
高温乾燥で通気性が悪い環境で出やすいということですが、温室内などでそれなりに湿度が有る場合でも発生するので、梅雨前の気温の高い時期に多発することがあります。
それ以外は気温の高い夏場によく発生するので、注意した方が良いでしょう。
私は ダコニール1000 などを使っていますが、広範囲に発生することがあまりないので、ベニカXファインスプレー が有ると便利です。
さて、今回から病気編です。
虫の害と違って細菌やカビが相手なので中々厄介な物です、園芸用の殺菌剤も色々売っていますが、原因菌に効く物でないと効果がありません。
症状の似た物や植物によって症状が違う場合もあり、原因菌を特定することが難しい病気もあり、かけた薬が効かなく植物が枯れてしまうこともあります。
また、植物内部に入った菌は薬剤が効きにくいので、病状が進むと手遅れになることもあるので、早期発見早期治療が重要になります。
食虫植物はあまり病気にかからない物があり、種類によってはほとんど気を使わなくても大丈夫と言う物もあります。
そんな食虫植物たちですが、唯一全ての植物で問題になる病気があります。
それが立枯病です。
植替えや環境の悪化で植物が弱った時に、根の部分から細菌が入り地際から植物を枯らすと言う最も多発する物です。
様々な菌によって引き起こされる物で、食虫植物の場合はほとんど原因の究明がされていないので、中々原因菌の特定は難しいところです。
細菌の進入で枯れた植物はほとんどの場合助からないので、患部を切り取って葉挿しや株分けで残す方法が取れなければそのまま処分した方がいいと思います。
この場合用土もかなり長い間細菌が残るので、再利用する場合は熱処理や薬剤の処理をしたほうが安全です。
これらの菌の多くは土壌細菌と呼ばれて土や水で感染します、大きな容器で腰水をしている場合は次々に感染する可能性があります。
ほとんどの菌は活動が盛んになるのが20℃~30℃の温度なので5~6月ごろに多発します、また多湿を好む物も有り、梅雨時に最も被害が出やすくなります。
中には未分解の有機物が多いと細菌の濃度が上がって感染しやすくなる物もあるので、用土にピートなどが多い場合は腰水に頼るより、散水で土中の有機物を出来るだけ流しだすような栽培方法が良いと思います。
また、その多くが弱酸性から中性で活動する性質があるので、食虫植物の生育環境は要注意と言う所です。
特にサラセニアに多く発生して、ある日突然葉が水分を失って干からびてしまい、鉢から抜いてみると根元が腐っていると言うことがあります。
またメキシカンピンギなどでは、中心部分が茶色く変色して腐ってしまいます。
ハエトリソウなどでも、地上部だけ残して地下の部分が消滅してしまうような枯れ方をします。
これらの物は原因菌の特定が難しいことがあるので、出来るだけ広範囲の細菌に効く殺菌剤を発生時期にあわせて撒いておくと予防できることがあります。
また植替え後には散水の変わりに薬液をかけることで被害を減らすことが出来ます。
私が良く使うのは ダコニール1000 と トップジンMゾル 、ダコニールは予防的に使いますが、両方ともほとんど薬害が無く多くの細菌に効果があります。
また、鉢数が少量であればモスピラン・トップジンMスプレー900ml でもいいと思います。
サラセニアの場合は葉が萎れた時点でほぼ復活不可能ですが、株が大きく沢山芽が有る場合は子株などが助かるかもしれません。
メキシカンピンギは腐った部分をカッターなどで切り取ってから、殺菌剤をかけて葉挿しすることで復活するかもしれません。
ネペンなどは怪しいと思ったら、細菌が株全体に回って枯れる前に、頂芽の部分を早めに切り取って挿し木をすることで、株を残すことが出来るかもしれません。
ただほとんど緊急避難的は対処法なので、植替え後などで根が傷んでだ時や新芽の成長が緩慢になったときは注意した方がいいと思います。
重要なのは用土が古くなった時や水はけの悪い用土では、細菌の繁殖を助長するので、普段からの管理に注意することです。
第二回目です。(^^ゞ
今回はご要望にお答えして「アザミウマ」。
別名を「スリップス」といって「アブラムシ」同様、吸汁性害虫です。
これも成虫は羽が有りどこからともなく飛んできますが、種類が非常に多く在来種もかなり存在します。
どこにでもいて、花の中で動く小さく細い虫がいたらたいていこいつです。
だたこれらの黒い物はほとんど在来種で、あまり害はありませんが、ミナミキイロアザミウマと言う外来種が現在猛威を振るっています。
この外来種は薬剤に強く、大量発生すると中々駆除できないと言う農家の強敵となっているようです。
専門的には効果がある薬剤が色々開発されていますが、一般の園芸店では中々入手できる物ではなく結構高価です。