これがモウセンゴケと言う名の毛氈苔なわけで、北半球に広く分布している種類です。
通常春先に大きな葉を展開しますが、花茎を上げて夏が来ることにはほとんど消滅しかかってしまいます。
なぜそうなるかは良く分かりませんが、自然環境に対応するためなのか花芽を何本も上げて種を沢山造るためだと思われます。
ただ、そうならない系統が有り、私は以前から日本には2系統のモウセンゴケがあると思っています。
その系統とは北日本や高山帯に自生しているモウセンゴケです。

写真の右は千葉県産で左は群馬県産です、千葉県産のものは元々調子が良くありませんでしたが、この時期は次第に小さくなりかなり弱ったような感じになります。
このまま枯れてしまうと言うことはありませんが、これ以上大きくなることもほとんどありません。
これに比べて左の群馬県産の物はこの時期も衰弱することも無く勢力旺盛で、株の直径も5cmほど有ります。
低地のものに比べて花茎を上げる数や、一本の花茎につける花の数も少ない傾向に有りますが、それだけでもないようです。
このタイプの物がどこまで自生しているかは分かりませんが、高知県の山中にも同じタイプの物が自生しています。
高知県にはムシトリスミレが自生している山もあるので、氷河期のような時期に日本に広がったものかもしれません。
千葉県産のものは太平洋側の本州一体に広く自生していますが、同じ所にはこの高山性のものは自生していません。
私が知る限り近畿一円に自生しているのは低地性の物だけで、高山性のものは確認できていません。
この2者は明らかに性質が異なるので、何か遺伝子的に違いが有るのかもしれません、高山性のものが元々有った物で、その後に低地に順応する形で低地性のものが出てきたと思われますが、はっきりとした住み分けをしている両者に興味を持った次第です・・・。
[3回]
PR