ナガバノイシモチソウです。
あまり栽培している人がいない植物ですが、とりあえず日本産だしこのブログでは毎年登場します。(^^ゞ
栽培している人が少ないと言うのは、栽培にコツがいると言う所が最も大きいのかと思います。
ほとんどの人が新芽が出てしばらくして枯れるか梅雨入りしたころに枯らしてしまいます。
そんな所から栽培が難しいと思われていますが、これもちょっとしたことで雑草のように生えてきます。
写真はサラセニアの実生床に生えてきた物ですが、用土は入れ替えた筈ですが容器に生えた前年の苔に種が残っていたようです。
それが春になって目を出し、枯れずに大きくなって今では花を沢山咲かせています。
この他にもサラセニアの鉢に種を蒔いておくとかなり順調に育ってあちこちで花を咲かせています。
種も大量に作るので場合によっては雑草化している所もあるぐらいです。
では枯らす人は何が悪いか、それはやはり環境です。
この植物の自生地は愛知県と関東の3県、どこの自生地も低湿地で草原のために日当りが非常に良い場所です。
この低湿地は常に湿度が高く、気温が高くなると非常に蒸し暑い環境になります。
栽培する場合はこの環境を再現すればいいわけですが、立ち上がる植物なので発芽して間もない小さなころは周りの環境変化に敏感で、急激な温度や湿度の変化がありと瞬く間に枯れてしまいます。
この時期に枯らさないためには直射日光に充分当てて丈夫な植物にしていく必用が有ります。
つまり4月頃から雨ざらしの直射日光下に置き、それ以降栽培する環境で発芽を待つことが重要です。
もちろん都心のベランダなどで栽培する場合は乾いた風が直接当らないように風防等を考え他方がいいでしょう。
次に発芽後に少しずつ消滅していくと言う話が良くありますが、一つには日照不足が考えられます。
自生地はさえぎる物が何もない草原なので、日照不足では満足な成長をしません、出来るだけ日照を確保してください。
次に考えられるのが用土の過湿と通気性の悪化です。
用土の過湿が原因で通気性が悪くなると根腐れで根元から腐ってしまいます。
これは5月になって気温が高くなってきたころに多発します。
用土は出来るだけ通気性の良い物を使い、用土表面は乾燥気味にすると比較的枯れる物が減ってきます。
ではどんな用土か・・・。
実際、風通しが良ければミズゴケでもかまいません、私は鹿沼とパーライトにココピートを適当に混ぜた物を使って、表面に鹿沼の細粒をひいています。
ある程度大きくなった物が枯れるのはたいてい根元が腐って枯れます、用土の表面に鹿沼の細粒をひくことで、表面の過湿を防いで根元が腐ることを減らします。
その後梅雨の間に枯れることもありますが、出来るだけ用度を過湿にしないようにするだけでほとんど枯れることはないと思います。
この植物が最も良く生長するのが、気温が30℃を超えた梅雨明けからです、この時期に直射日光に充分当てて湿度も失わないような環境に置くと見違えるような成長をしてきます。
元々がオーストラリアの熱帯に多く自生する物なので、真夏の太陽と高温が生育環境にはもってこいなのだと思います。
注意しないといけないのは、この植物が非常に植え替えを嫌うと言うことです。
少しでも根をいためると中々復活してこないことがあり、場合によって名そのまま枯れてしまいます。
植え替える場合は用土ごと抜き取り、そのまま別の場所に植え替えるようにしたほうが安全です。
温度が30度以上ある場合はかなり旺盛な成長を示しますが、温度が低くなるととたんに生育が悪化して根腐れで枯れてしまいます。
赤花種は白花種よりの低温に弱く、9月になって秋雨に当るとほとんどが枯れてしまいます。
これに対して白花は比較的低温に強く、場合によっては10月頃まで花を咲かせています。
また赤花種は、根元が腐ってしまっても挿し木で復活する場合がありますが、白花種はほとんど挿し木が出来ません。
こうした特長の違いが有り、どこかの学者が日本産の物は赤白別種であるとか言い出したようですが、オーストラリアにはもっと沢山変異のある物が自生しているので、その辺を知って言い出したのかどうか・・・。
色んなことを言う人がいますが、この植物も日本の自生地はほとんど失われてしまっている現在、栽培だけで維持されるようにならなければ良いんですが・・・。
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