さて、D. intermedia は結構有名ですが、エフクレタヌキモ (Utricularia inflata)と言うのは私も現物をほとんど見たことがありません。
この種類は北米産でタヌキモの中では最大の物と言うことで、植物体宇賀が大きく最盛期には黄色い花を沢山咲かせてきれいだと言うことで導入されたようです。
それで評価の理由ですが・・・。
自然性の高い貴重な生態系である、ため池や湿地に生育する希少な水生植物(水草)と競合し、駆逐する。外来のタヌキモ類の中で、特に生態系への影響が深刻な種類である。水面だけでなく水底近くにまで繁茂するため、水生の生物相への影響が大きく、防除が困難であることから、今後分布が拡大した場合、在来の生態系に大きな被害を及ぼす可能性がある。
・・・と言うことです。
まあ、このUtricularia inflata に関しては本国アメリカでも同様のことは言われている唯一の植物で、余り言えない部分は有りますね。( ´-ω-`)
アメリカの自生地でも水面近くでマット状になって、水中の植物が育ち難くなるという報告が有るそうです。
ただ、ここからが問題で、「被害をもたらしている要因」で出てくることが「タヌキモ属の種子は風で飛ばされやすく、水に浮き、水または水 鳥の体に付着することにより散布される」と有り、それほど種子で繁殖する植物ではないと思いますがこれだと種が簡単に拡散される印象ですね。
タヌキモはほとんどが栄養繁殖で余り種を作る種類は無いと思いますが、いいかげんな説明しかされていません。
「本種が、日本で果実を形成するかどうかは不明である」とあるので、全く分かってないけど増えているから指定しとけぐらいの発想でしょうか・・・。
社会的要因として、 「観賞用の食虫植物として利用されている。 タヌキモ属は、大型のあつかいやすい種を中心に、昔から温室鉢植え栽培されてきた」と有りますがタヌキモだと睡蓮鉢等で栽培されるので、これは着生ウトリのことで全く違う物です。
そして一番問題なのは分からないからUtricularia属をひとまとめにして規制しようと言う話なっていることです。
問題になっているのはUtricularia inflata 一種類だけなのに、このままではミミカキグサを含めた220種類が規制されることになるということです。
一種類にために他の種類も全て犠牲になるということです。
まあ、日本に定着している外来種としてはUtricularia gibba や Utricularia subulataなどもありますが今回は話題にならなかったようですね。
ただ、これらの物は日本産のものと見分けが付かなかったり目立たないと言うことがあるかも知れません。
それに駆逐するとか遺伝的攪乱とはありませんから・・・。
Utricularia inflata が環境に影響を与えると言ってもオオフサモ(Myriophyllum aquaticum)のように完全に水面を被ってしまうと言うことはなく、あくまでもタヌキモなので軟弱な植物だと言うことです。
それほど急いで指定することは無いと思うんですがね~・・・。
それにこのことで200種以上のUtricularia が被害に合うと言うことになるので、ただ一種類のために関係ない種類が栽培できなくなるというのは困ります。
D. intermedia に関しても「絶滅危惧種などと競合し駆逐し・・・在来種の遺伝的攪乱」と有りますが、増えているところは有りますが、実際に駆逐されたり遺伝的攪乱が起きているかと言うとそんなことは有りません。
増えているので駆除していると言う話は有りますが、外来種だからと言うことで、駆逐されたからと言う理由ではないと思います。
在来種で競合している種類と言うのはモウセンゴケ(D. rotundifolia)が有りますが、これは日本の固有種ではなく、北半球に広く分布するドロセラ界では最大の普及種です。
そしてD. intermedia の自生地でもあるアメリカでも同じ所に自生していて雑種は作るがそれ以降種が出来ない物となるため遺伝的攪乱とはなっていません。
本国でも一緒に生えている物が日本では駆逐する・・になると言うのはおかしな話です。
とにかくこのままではほとんど栽培できなくなるので、がんばってパブリックコメントを書くことにしましょう。
ちなみに書き方とかも指定が有るので気をつけましょう。
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